「英検」と「TOEIC」のどちらを受験すべきか?

「英語の資格を取得したいけど、英検にするべきか、あるいはTOEIにすべきか…?」で悩んでいる人も多いですね。「英検とTOEIC、どちらがお得?」に関しては、ハッキリとした答えは出せません。業種や企業によって重視するテストは違いますし、また、どちらともに「独自の特徴」があるため、ここでは英検とTOEICの両方の特徴を紹介しますので、それを踏まえて「あなたにとってどちらを受験すべきか?」を考えるようにしてください。

まず「英検」ですが、2級までは誰でも取得する価値は大きいと思います。多くの就職募集要項などを見ても、「英検2級」と書かれていますしね。しかし、「準1級」や「1級」の受検に関しては、「さらに高度な英語資格の取得、あるいは、教育現場での就職を考えている」という場合に有効になると思います。

たとえば、「通訳英語検定」ってご存知ですか?持っていると就職等に大いに役立つ資格です。この資格では、かなり「高いレベルの英語力」が求められるのですが、「英検1級を持っていれば英語の試験は免除」とされていることがあるんですよ。また、英語を教えるスクールなどでも、「英検1級取得者」に対しては「良い待遇」が待っているなど、これらを目指している場合は、英検を受けた方が良いかもしれません。

一方、TOEICですが、「履歴書に書いて恥ずかしくないレベル」は「650点〜」だとされています(本当は700点以上が欲しいのですが…)。仮に、あなたの今の英語力が「650〜700点」の間だったとしましょう。このレベルは、履歴書に書いても恥ずかしくないレベルなのですが、「大きな説得力を持った点数」とまでは言えませんよね。しかし、「TOEICで650〜700点」というのは、「英検2級」に該当するレベルなんですよ。したがって、TOEICの点数よりも、「英検2級」の肩書の方が、説得力が増す場合があるんですね。

これらの点を踏まえると、英検もTOEICも、「2級or650〜700点」であれば、「どちらを受験しても大差はない」と言えますが、「それ以上の場合は、どちらを受験するかで損得が出る可能性がある」と考えておきましょう。

1日の勉強時間はどれくらい?

英検2級の突破を目標に勉強されている皆さんにとって、「他の人たちは1日にどれくらい勉強しているのだろう…?」は気になる点ですね。もちろん、勉強時間が長いほど、合格に有利であることは間違いありません。しかし、「勉強時間が長い=確実に合格に近付く」とまでは言えないのです。

基本的には、1日の勉強は「2時間程度」で十分でしょう。社会人の皆さんの場合、1日2時間以上の勉強時間を確保するのは難しいですよね。週末などは「4〜5時間勉強!」ということも可能だと思いますが、お仕事をしている平日の場合、「2時間程度」でも十分なんですよ。むしろ、翌日のお仕事に支障が出ない程度にとどめておきましょう。

社会人の皆さんの場合、英検の勉強も大切ですが、何よりもお仕事を優先すべきです。したがって、「仕事に支障が出るほどに勉強をする」というのは、勉強計画としては間違っていることを覚えておきましょう。また、このような無茶な勉強を続けていると、ほぼ間違いなく「三日坊主」になります。「スタートダッシュ」をかけるのも良いですが、それよりも「長く続ける」ことこそ、合格への近道だと考えておいてくださいね。

ちなみに、「1日の中で勉強する時間帯」は固定した方が良いと思いますよ。残業などで時間の調整が難しいかもしれませんが、賢い人は「朝」に勉強しています。もちろん、早起きする必要がありますが、「その分だけ前の日は早く寝る」という人がほとんどであるため、「朝の勉強」も苦にならない人が多いんですね(低血圧の人は…、無理はしないでくださいね…)。

実際、仕事で疲れた脳で勉強するより、朝のリフレッシュした脳で勉強した方が、勉強効率が格段に良いとされているんですよ。英会話スクールなどでも早朝レッスンを設けているところが多いのはそのためです。「朝に勉強をして、すっきりした頭で会社に向かう」という早朝レッスンに、皆さんが想像される以上に人気が集まっているのはそのためなんですね(講師は大変ですが…)。

試験の準備期間はどれくらい?

英検2級の受験を計画している人からは、「どれくらいの準備期間を?」という質問もよく受けます。この質問に応えるのは本当に難しいですね。なぜなら、「今のあなたの英語力によって大きく異なります」としか言えませんし、また、過去に受験経験がある人の場合、「受検の雰囲気」や「問題構成のパターン」などを知っているため、まったくの初心者より短い準備期間でも良いということになります。

しかし、一般的には「3〜6カ月」と言われていますね。「3カ月」と「6カ月」では大きな差がありますが、少なくとも、「1年は必要ない」ということになります。そこで、「状況によって必要な準備期間」をいくつか紹介しますので、あなたに当てはまる準備期間を参考にしてください。

まず、これまでに英検の受験経験がなく、2級の問題集などを見ても「難しいな…」と感じる人の場合、やはり「半年間(6カ月)」の準備を心がけておきましょう。問題集などを見て「う〜ん、難しい…」と感じるようでは、2級突破に必要な「基礎的な英語力が不足している」と言わざるを得ません。したがって、この場合は「ひたすら問題集を」という勉強方法よりも、「3か月間は2級に頻出する単語だけを猛勉強。そして残りの3か月間を使い、問題集や過去問などで試験対策」という方法がオススメだと思います。

一方、英検の受検経験があり、「2級突破までもう少しかな?」という英語力である場合、「前回の受検データ」を参考にプログラムを組みましょう。どの部分で点数を落とす傾向にありましたか?基本的に、「受験経験あり+もう少しの英語力」という人の場合、「1から猛烈に勉強」というより、このような「落とし穴」を克服することで合格できるケースが多いんですね。したがって、「苦手分野の克服」を最大の目標に、「3か月間程度」の準備を心がけておきましょう。

上記の2パターンの「どちらにも当てはまらない人」は、「3か月〜6か月」の間で調整すれば良いと思います。くれぐれも、「6カ月以上もの長い期間をかけたにもかかわらず、受検すらしていない」ということは避けておきましょう。最長でも「半年間」を目安にしてください。もし、それでも英語力不足を感じるなら、思い切って「準2級」から準備し直すのも1つのアイデアだと思いますよ。

積極的に「書き込んで」いく

TOEICの試験を受けたことがある人なら知っていることですが、TOEICでは、問題用紙への「書き込み」は認められていません。これは、以前に問題用紙を試験会場で写真に撮影し、分からない単語の部分に「この単語の意味は?」などと書き込み、それをメールで試験会場に待機している人に送信、意味や答えなどを返信してもらうという、かなり手の込んだ「カンニング」が横行したために禁止されたのです。日本でもこのようなカンニング事例は報告されていましたし、お隣の国、韓国では社会問題にまで発展したんですよ。

ところが、英検においてはこのようなカンニングは報告されていないため、今でも問題用紙への「書き込み」は認められています。問題用紙への「書き込み可or不可」のどちらが受検者にとって有利なのか?もちろん、「書き込み可」の方が有利であることに違いありません。したがって、「書き込みのテクニック」も、英検2級を確実に突破するための「重要テクニック」と言えるでしょう。

そこで、まずは「絶対に違う選択肢」に「横線を引くクセ」を付けましょう。英検2級の選択肢は、「4択or5択」になっています。もちろん、絶対に違う選択肢もいくつかは見つかることでしょう。この時、それ以降はその選択肢に目が行かないように、横線を引いて除外しておくのです。

また、「パート3」や「パート4」などの長文が出題される部分では、文章の区切りごとに「斜線」を引いて、文章構造を「目で見て分かりやすくしておく」ということも大切ですね。

これらの作業を「常に行うクセ」を付けていた場合、いちばん大きなメリットとして「時間短縮」が可能になるんですよ。つまり、「読みやすさ」や「余計なところに目が行かない」ということになりますので、1問あたりで短縮できる時間は数秒ながらも、それが「50問」というリーディングパート全体では大きな短縮につながるんですね。「時間が足りなくて、最後まで解答できなかった…」という、最悪の事態を防ぐためにも効果的な方法なのです。

「4択」を「2択」にしてみる

英検2級は、全ての問題が「4択or5択問題」となっています。しかし、「4択(5択)→3択」に出来る問題や、「4択(5択)→2択」に出来る問題もあるんですね。もし、4択や5択の状態で「勘頼り」の解答をした場合、単純計算で正解率は「20%〜25%」ということになります。あまり正解は期待できないですよね。しかし、3択や2択に絞り込めていれば、勘による正解率もグッと上がることになるのです。

そこで、リーディング問題の「パート2以降」に着目してみましょう。パート1は、基本的には「単語問題」になります。したがって、「その単語を知っているかどうか?」が問われますので、消去法などによる「絞り込み」がやりにくいと言えるでしょう。しかし、パート2以降は「文法問題」や「長文問題」が続いて行きますので、ここで「絞り込み」のテクニックが使えるのです。

たとえば、選択肢に「代名詞」がズラッと並んでいる問題があったとしましょう。「she」や「they」などの代名詞は、意味は皆さんもご存知ですよね。したがって、「どの代名詞が入るのか?」に焦点を絞って解答しておけば良いわけです。仮に、カッコの後ろに動詞があり、「三単現」の「s」が付いているとしましょう。この時点で、代名詞は絶対に単数形になるはずです。つまり、「they」などの複数形の選択肢は除外できるというものです。

また、「接続詞を問う問題」も出題されますが、接続詞とは、「2つの文章をつなげる役割を持った単語」ですよね。つまり、2つの文章が「順接(〜だから…になる)」なのか、あるいは「逆接(〜だけれども…である)」なのかで、1〜2つの選択肢を除外できるというわけです。

いかがですか?単語問題では、上記のような「消去法による選択肢の絞り込み」は難しいのですが、それ以外の問題パターンについては絞り込みが簡単に出来るのです。これを覚えておけば、「残り2つで迷っている…」という状況でも、勘での正解率は「50%」になりますからね。「20%」や「25%」よりもはるかに正解が期待できるのです。

1次試験は時間が勝負!「スキミング」を覚えよう!

英検2級を確実に突破するためには、まずは1次試験をパスしておく必要がありますね。1次試験では、「リスニング問題」と「リーディング問題」を解答する必要があるのですが、リスニング問題に関してはそれほど問題ないと思います。英検2級のリスニング問題は、受験されたことがある方なら分かると思うのですが、実はそれほど難易度は高くないのです。ただし、「難易度が低い=油断してしまう」ことは避けておきたいですので、「まったく勉強しない」ではいけませんよ。市販の教材などに付属しているCDなどで、一通り練習しておきましょう。

さて、問題はリスニングの後の「リーディング問題」です。リーディング問題は、前半は4択形式の文法問題などが続きますが、後半は「長文問題」を解答することになるんですね。長いパッセージが印刷されており、そのパッセージの内容に沿った選択肢を選ぶというものです。

この時、ぜひ覚えておきたいテクニックとして、「スキミング」という技術があるのです。日本語に訳すと「飛ばし読み」という意味になるのですが、長文を理解するスピードが飛躍的にアップしますので、ぜひ身につけておきたいテクニックなんですよ。

スキミングの方法はそれほど難しくありません。まず、そのパッセージの主題を取るために、「太字」で印刷されている部分などを軽く訳しておきます。その後、パッセージの各段落の「最初の文章だけ」を訳していきましょう。英語は、日本語と違い、段落の最初に「何を言いたいのか?」を表現する傾向にあります。つまり、各段落の最初の文章とは、その段落の「要約文」になっているということです。そこで、各段落の最初の文章だけを訳していくと、そのパッセージ全体の要約文が出来あがることになるのです。このようにして「全体の要約内容」を先に理解しておけば、その後の読み進めていく時の「理解力」が、飛躍的にアップするというわけですね。

スキミングの技術は、とくに「論文」や「新聞記事」、「メールの送受信」などがパッセージとして出題されている時に絶大な威力を発揮します。新聞記事などは、文字ばかりで読み進めるのが難しいですよね。しかし、スキミングを活用しておけば、そんな難しいパッセージも楽々攻略できることを覚えておきましょう。