「自分メモ」を作成しておく

海外旅行における英会話では、「自分メモ」を作っておくことも大切です。本屋さんなどを見てみると、ちょっとした英会話が収録されている「ミニ本」のようなものを見かけますが、それのオリジナルバージョンだと思っておきましょう。

たとえば、あなたの旅行プランで伝統的な建築物を訪れるとします。このとき、「ここは写真撮影OKですか?」や「トイレはどこですか?」などの表現は重要になってきそうですね。このように、場所に応じて必要と考えられる表現集を、自分なりに小さなノートにまとめておくか、あるいは、本屋さんで売っている「ミニ英会話本」にアンダーライン等をひいておきましょう。

また、「自分メモ」は、何も英会話表現だけを収録するためのものではありません。海外旅行には、自分の意思に反してトラブルに巻き込まれることもあります。盗難などですね。さらに病気なども怖いですよ。異国の、言葉が通じない場所で病院に行くのは勇気がいる行為です。

このとき、たとえば滞在している近くの日本食レストランの連絡先をメモに書いておくのです。日本食レストランでは、たいていは日本人スタッフが働いていますので、何かあった時、助けを求められる場所でもあるんですよ。さらに、日本人医師などが働いている病院があれば、その連絡先も書き留めておきたいですね。もう1つ、日本人が多く滞在している国では、大使館とは別に「日本人会」のようなものがあるんですよ。何か公的な仕事をしているグループではなく、「同じ日本人。困った時は助け合おう!」という組織ですね。世界各国にこのような組織があるわけではありませんが、事前にインターネットでその国に日本人会があるようなら、ぜひ連絡先を書きとめておきましょう。

もちろん、メモの中には大使館や保険会社の連絡先も書いておきたいですね。万が一、パスポートを紛失した時など、早急に対処しておかないと、最悪のケースで帰国が何週間も伸びるということがあるのです。とくに、発展途上国ではこのような事例がよく報告されていますので、英会話表現集だけでなく、「何かあった時に頼りになる連絡先」も自分メモに書いておくと安心だと思いますよ。

「依頼疑問分」の作り方

「海外旅行で英会話が心配だ…」という人も多いと思います。ツアーで出かけるなら、ガイドさんにお願いして通訳をしてもらえますが、自分たちだけで行動する場合は困りますよね。しかし、「英会話に不安を感じる」という人の場合、「依頼疑問文」の作り方さえマスターしておけば、たいていのケースでコミュニケーションが取れるのです。

「依頼疑問文」とは、呼んで字の如く、「〜してもらえますか?」という文章のことです。たとえば、写真撮影をお願いする時、「写真を撮ってもらえますか?」という必要がありますよね。また、ホテルの部屋を変えて欲しい時も、「部屋を変えてもらえますか?」と言いますし、レストラン内でも「お水をいただけますか?」のように、海外旅行においては、皆さんが想像される以上に「依頼」することが多いんですね。

依頼疑問文は、基本的には「Can you 〜?」で始まります。「Would you 〜?」の方が敬語になるのですが、「Can you 〜?」でも決して失礼には当りません。あとは、その続きの表現をいくつか覚えておくだけでOKです。たとえば、写真撮影を依頼する時は「Can you take photo for us?」でOKですし、道を聞きたい場合は「Can you tell me the way to 〜?」で通じます。このように、基本的には「Can you」から全てが始まり、時と場合に応じて、そのあとの表現を変えてやるのです。ちなみに、写真撮影をお願いする時は、できるだけ観光客の人に頼んでおきましょう。撮影をお願いしてカメラを渡した瞬間、カメラごと走り去っていくという盗難事件が多発しているためです。ですが、あなたと同じ観光客であれば、そんな心配もありませんからね。

また、もう1つ、ぜひ覚えておきたい表現として「Can I 〜?」があります。「〜をください」という、要求を伝える文章ですね。この場合も、「Can I 〜?」のあとの表現を変えるだけでOKですよ。たとえば、「お水を下さい」という場合は、「Can I have some water?」で通じますし、ホテルの部屋を変えて欲しい時は「Can I change my room?」と言っておけばOKです。

いかがですか?海外旅行に慣れていない人の場合、「文章をそのまま丸暗記する」ということも多いのですが、「Can you」や「Can I」のように、基本となる部分を覚えておけば、あとは時と場合に応じて続きを変えるだけで「それなりの英語」になるんですね。

「なんちゃってリスニング」をマスター!

海外旅行での英語のリスニング、難しいですよね。しかし、海外旅行ではそれほど多くのトピックを話す必要はありません。ある程度、旅行に必要な英語のリスニングを練習しておけば良いのです。そこでオススメしたいのが「なんちゃってリスニング」ですね。

「なんちゃってリスニング」とは、ずばり「ポイントリスニング」のことです。つまり、相手の言っていることを全部聞き取ろうとするのではなく、「要点だけを聞き取る」という方法です。「でも、要点だけを聞くって、簡単に言うけど難しくないの?」と思ってしまいますよね。たしかに、多少の練習は必要だと思います。しかし、皆さんが想像されるほど難しいものではないのです。

たとえば、飛行機の中での会話を思い出してください。機内食が出される時、「Beef or chicken?(ビーフになさいますか?それともチキンになさいますか?)」という文章があります。これこそ、ポイントリスニングの代名詞と言えるでしょう。英語の本文には、「なさいますか?」の部分はありません。しかし、意味はちゃんと通じる英語の文章なんですね。これは、英語圏意外に住んでいる人でも分かるように、ポイントリスニングを「話し手の方からしてくれている」ということなんですよ。「Would you like 〜?(なさいますか?)」をあえて飛ばして話してくれているので、英語が苦手な人でも分かるようになっているんですね。

つまり、私たちが現地のホテル等で英語のリスニングをするときも、これと同じように聞いておけばOKなんですよ。難しく考える必要はありません。「そういえば、〜の単語が聞こえたな…」のように、1つでも単語が聞けたなら、たいていのコミュニケーションは大丈夫だと思いますよ。ただし、くれぐれも安易に「Yes」とは言わないようにしておきましょう。どうしても相手の言うことが分からないなら、「I’m sorry, I cannot hear you. Would you write in sentence?(すいません。言っていることが分かりません。文章で書いてもらえますか?)」と言って、相手に紙とペンを渡しておきましょう。文章で書いてくれるなら、だいたいの意味は理解できますからね。

有効期限の本当の意味とは?

「英検の試験結果には有効期限があるんですか?」という質問もよく耳にします。実際には、英検に有効期限は存在していないのですが、たとえばTOEICの場合、「有効期限は2年なので、2年を超えて履歴書には書けない」と考える人も多いんですね。しかし、これは「大きな勘違い」なのです。そこで、資格の有効期限の本当の意味について勉強しておきましょう。

前述の通り、TOEICの場合、「有効期限は2年」と考えている人が多いですね。しかしこれは、「2年を過ぎて履歴書に書いてはいけない」という意味ではありません。ここで紹介されている「2年」とは、「TOEIC本部にあなたの試験結果が保存されている期間が2年」ということなんですね。したがって、受験してから2年間の間であれば、公式の試験結果を「再発行」してもらえるというわけです。一方、2年を過ぎると、本部からあなたのデータが削除されますので、結果の再発行を申し込んでも発行はしてもらえません。

いかがですか?これについては知らない人も多かったのではないでしょうか?多くの資格等に見られる有効期限とは、「本部にあなたのデータが保存される期間」であり、「それを超えて履歴書に書いてはいけない期間」ではないことを覚えておきましょう。

しかし、ここで1つ、困った事例も報告されているんですよ。前述のように、資格の有効期限とは「本部にデータが保存される期間」なのですが、「それを超えて履歴書に書いてはいけない期間」と勘違いしている「人事担当者」もたくさんいるんですね。私の知り合いでも、3年ほど前にTOEICを受験し、転職するときにその点数を書いたのですが、人事担当者から、「TOEICの有効期限を過ぎていませんか?」と指摘されたそうです。その場で勘違いを指摘するのも空気が悪くなりそうですし、この知り合いは、「はぁ、すみません…」と答えるしかなかったそうです。ですので、有効期限の本当の意味をもっと多くの人に知ってもらい、「それを超えても履歴書に書いて良い」という認識がさらに広まることを皆さんも願いましょう!

「敬語」にするちょっとしたコツ

以前、英検2級の「受験経験者」の方にお会いしたことがあります。その方は、「1次試験は突破したものの、2次試験で失敗した」という人だったんですね。私も多少は英語を話すので、「何が原因なのか?」について一緒に考えることにしました。

すると、1分も経たないうちに、この人の「ダメな点」が見えたのです。それが、「話し方」だったんですよ。この人は、人としては優しくて素晴らしい性格の持ち主なのですが、「アメリカのヒップホップに憧れる若者」でもあるため、話す英語も「ラッパーみたい」な感じなのです。別にその話し方が悪いとまでは言いませんよ。私のアメリカ人の友達の中にも、「ラッパーみたい」な話し方をする人もいますし、「ラッパーみたい」な話し方をしても良いシチュエーションならば何も問題はありません。

しかし、2次試験はあくまでも「面接」なのです。したがって、「面接」というシチュエーションに応じた話し方をしておくべきなんですよ。その話し方から大きく外れている場合、減点対象になる可能性もありますのでご注意を。

さて、「面接」というシチュエーションを考えた場合、やはり出来るだけ「敬語」を話しておきたいですよね。しかし、日本人にとって「英語の敬語」は難しいものです。そこで、「敬語を話すちょっとしたコツ」を覚えておきましょう。

まず、「省略形」は使わない方が良いですね。「be going to」を「be gonna」と発音してみたり、「want to」を「wanna」と発音するのは好ましくありません。このような省略形が「悪い話し方」と言っているのではなく、少なくとも、「全てのシチュエーションで通用するきれいな敬語」ではないことを知ってください。

また、「主語をしっかりと言う」というのも大切です。たとえば、「I came back home at 10 last night, and had dinner after at 10:30.(昨夜は10時に帰って来て、10時半に夕食を食べました)」という英文の場合、「and」の後の「I」が省略されています。もちろん、英語の文法的には何も問題ない表現なのですが、やはり「I」を入れた方が「きれいな英語」に聞こえる場合が多いんですね。要するに、省略するのが文法的に間違いではない場合でも、「省略せずにきっちりと言う」という、簡単な心構えだけで、敬語になることを覚えておきましょう。

2次試験は「自己紹介」が大切!

英検2級の2次試験では、「自己紹介」が大きなポイントとなります。また、自己紹介の方法を工夫するだけで、残りの会話が「たどたどしい感じ」でも「確実に2次試験を突破できる」という可能性もあるんですね。そこで、2次試験を控えておられる皆さんのために、ぜひ自己紹介の工夫の仕方を紹介してみましょう。

皆さんが、英語で自己紹介をする時、自分の「どんな情報」を披露しますか?「名前」と「出身地」は外せませんよね。社会人の方であれば「職業」、学生の方であれば「学校名」なども外せないトピックだと思います。しかし、これらに加えて「年齢」や「趣味」を加えるのはどうでしょうか?私の個人的な感覚からすると、つい披露してしまいがちな「年齢」や「趣味」は、むしろ英会話の自己紹介として「披露しない方が良いトピック」と言えるんですよ。

なぜ「年齢」などを言ってはいけないのか?それはずばり、「日本語でもダメだから」です。よ〜く考えてください。日本語で自己紹介をする時、あなたは自分の「年齢」まで言いますか?また、まだよく知らない人を目の前に「趣味」まで言うでしょうか?言いませんよね?それに、いきなり誰かにそんなことを言われても、困るだけだと思いませんか?

ところが、英会話の世界になると、頭が真っ白になっているのか、あるいは緊張しているのか、ついつい「言わなくてもよい情報(相手にとって困るだけの情報)」も言ってしまうんですよ。これでは、「減点対象になる」とまでは思えませんが、少なくとも「プラス査定」にはならないでしょう。自己紹介の部分では、たいてい「5点」の配点が用意されていますが、良くても「3点が限界」だと考えておいてください。

一方、自己紹介が上手な人は、「○○の会社に勤めていて、□□部署にいるんですよ。××のような仕事をしています」のように、日本語で考えても「自然なトピック」を披露しているんですね。仕事で初対面の相手に対しても、このようなトピックなら「自然な自己紹介」と言えるのはお分かりでしょう。

ですので、自己紹介の練習をする時には、「日本語で考えても自然かどうか?」をチェックしておきましょう。自己紹介として自然なトピックに関しては、日本でもアメリカでもイギリスでも同じですから。

2次試験で失敗する人の特徴とは?

英検2級では、「リスニング」と「リーディング」で構成される「1次試験」と、「面接」の「2次試験」があります。1次と2次の両方を突破して、やっと「2級に合格した!」ということになるのです。しかし、受検者の中には、「せっかく1次試験を突破したのに、2次試験で失敗した…」という人も多いんですね。そこで、2次試験で失敗する人の特徴について紹介していきましょう。

2次試験は英語での面接になりますので、当然ですがある程度の「スピーキング能力」が必要になります。しかし、英検2級のレベルでは、それほど高いスピーキング能力は必要ありません。「コミュニケーションに関して、よほど大きな問題がある」というケースでない限り、多くは合格となるんですよ。ですので、基本的な自己紹介や簡単な日常会話、たとえば、「私は京都生まれです。お寺とかがいっぱいあって、観光で有名な町です」くらいのことが話せれば、特に問題はないと考えておきましょう。

ところが、2次試験で失敗する人の多くが、「高いスピーキング能力」を披露しようとして、事前に「何を話すのか?」の青版をたくさん用意しているんですね。もちろん、ある程度の事前準備は必要ですが、「青版から外れた話題になると頭が真っ白になる」という人も多いのです。英語のスピーキングの場合、「空白」は大きな減点対象になります。つまり、「たどたどしい会話」でも、「空白がそれほどなく、スムーズな流れで話している」ということが大切なんですね。「高いスピーキング能力は必要ない」と言ったのはそのためです。

実際、2次試験で失敗する人の多くが「空白」をたくさん作っているんですよ。事前に用意した青版もほとんど活用できず、「あれっ?用意した話題ってなんだっけ…?」と「考える時間」が「空白」を作り、それが結果として大きな減点対象になっているのです。

たどたどしくても構いません。それほど高いスピーキング能力がなくても構いません。2級の2次試験で大切なのは、「空白を作らず、積極的に話そうとする姿勢」が重要視されることを知っておきましょう。